GDALはNOAA AVHRRデータを読み取ることができますが(driver=ceos)、
ALOSのPRISM、AVNIR2で配布されているL1B1、L1B2プロダクトも読み取ることができるようです。
少なくともRESTECが公開しているサンプルデータではうまくいきました。
方法
l1bデータのままでは読み取り専用なので、gdal_translate
でTIFFに変換します。
> gdal_translate -of "GTiff" "l1bプロダクトファイル名(IMG**)" "出力ファイル名"
L1B2_Gプロダクトの場合は既にファイル内に位置情報があるらしいですが、
L1B2_Rの場合はありません。
ですが、おそらく一緒に配布されていると思われるsummary.txtに四隅の座標が書いてあるので、
これを使って北上GeoTIFF画像を作ることができます。
上記のgdal_translate
コマンドラインに加えて
-gcp
オプションを使ってGCPとして四隅の座標と対応するピクセルを指定します。
> gdal_translate -gcp 0 0 "左上経度" "左上緯度" -gcp 7138 0 "右上経度" "右上緯度" -gcp 0 7000"左下経度" "左下緯度" -gcp 7138 7000"右下経度" "右下緯度" -of "GTiff "l1bプロダクトファイル名(IMG**)" "中間ファイル名"
GCP情報はGeoTIFFのModelTiepoint
タグに書き込まれます。
例:listgeoコマンド出力
Geotiff_Information: Version: 1 Key_Revision: 1.0 Tagged_Information: ModelTiepointTag (8,3): 0 0 0 141.26 43.522 0 7138 0 0 142.115 43.365 0 0 7000 0 141.055 42.91 0 7138 7000 0 141.902 42.755 0 End_Of_Tags. Keyed_Information: End_Of_Keys. End_Of_Geotiff. Corner Coordinates: ... unable to transform points between pixel/line and PCS space
ModelTiepointタグにこんな使い方があったとは、、、。
あとはgdalwarp
コマンドで北上画像にします。
このとき同時にEPSGコードを指定しておくといいでしょう。
> gdalwarp -t_srs "EPSG:4612" "中間ファイル名" "出力ファイル名"
これで北上のGeoTIFF画像が出来上がります。
例:listgeoコマンド出力
Geotiff_Information: Version: 1 Key_Revision: 1.0 Tagged_Information: ModelTiepointTag (2,3): 0 0 0 141.053 43.5215 0 ModelPixelScaleTag (1,3): 0.00010004714 0.00010004714 0 End_Of_Tags. Keyed_Information: GTModelTypeGeoKey (Short,1): ModelTypeGeographic GTRasterTypeGeoKey (Short,1): RasterPixelIsArea GeographicTypeGeoKey (Short,1): Unknown-4612 GeogCitationGeoKey (Ascii,8): "JGD2000" GeogAngularUnitsGeoKey (Short,1): Angular_Degree End_Of_Keys. End_Of_Geotiff. GCS: 4612/JGD2000 Datum: 6612/Japanese Geodetic Datum 2000 Ellipsoid: 7019/GRS 1980 (6378137.00,6356752.31) Prime Meridian: 8901/Greenwich (0.000000/ 0d 0' 0.00"E) Corner Coordinates: Upper Left (141d 3'10.80"E, 43d31'17.40"N) Lower Left (141d 3'10.80"E, 42d45'16.34"N) Upper Right (142d 6'46.80"E, 43d31'17.40"N) Lower Right (142d 6'46.80"E, 42d45'16.34"N) Center (141d34'58.80"E, 43d 8'16.87"N)
ここまで来れば後はどうとでもなります。
ALOSデータに限らず4隅の座標がわかっている画像であれば
同じようにGeoTIFFファイルを作成することができるので、
なかなか重宝する方法です。